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今やロックのサウンドに欠かせないのがこの歪み系エフェクタであるディストーション/オーバードライブだというのは誰もが認めるところでしょう。(※1)
アンプのボリュームを目一杯上げると入力された音は歪んで出てくるというのは、今ではギターをやっていればほとんどの人は知っていることでしょう。
さらには歪ませる事によって音は長く減衰を保つ事になります。
また、真空管の歪みは暖かく、トランジスタの歪みは冷たい。これも原理そのものを知らなくても知識的、感覚的に知っている人も多いでしょう。(※2)
では、ディストーション/オーバードライブに代表される歪みの正体とはいったい何なのか、みていきましょう。

(※1)
ドラムやベースは?とか言われると辛いので言わないでください。


(※2)
例外もありますけど一般的に。




そもそもアンプの「Gain」や「Volume」(※1)というつまみは歪みを作り出すためのものだったのでしょうか?
答えはNoです。
Gainは音が歪まない直前のいちばんS/N(※2)に有利なポイントを設定するものです。「High」と「Low」の2つの入力を持ったギターアンプを見たことがあるでしょうか、これも「High」だとGainを絞っても歪んでしまうギターはこっちに挿して使ってくださいという意味の「Low」だったのでしょう。
しかしユーザーは決して設計者の思った通りに使ってくれないってのが世の常。(※3)アンプが悲鳴を上げた音は瞬く間に世界中に響き渡るようになりました。

そして「もっと歪みを」とブースター回路まで持ち出し、ギターの音をさらに増幅してアンプにぶち込むことで確実にさらに激しい悲鳴を得るようになっていったわけです。

(※1)
他にもいろんな表記がされてたりします。


(※2)
Signal/Noize
ノイズに対しての信号レベル(大きさ)を表すときに使われます。


(※3)
ユーザーってのは厄介なもんです



歪みはアンプで得るのが一番という人も多いかと思います。(※1)
ではアンプの「Gain」や「Volume」を上げていくとなぜ歪むのでしょうか?
ディストーションエフェクタの歪みとの違いは後に触れるとして、まずはアンプでの歪みの原理を見てみましょう。

アンプとは入力された交流信号(※2)を増幅して出力するのが主な目的で、これはギターアンプ等のアンプにも同じだと言えます。しかし、アンプの入力信号から出力信号への増幅はリニア(直線的)ではありません。

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真空管アンプの特性を図にしたものです。見て解ると思いますが、直線部分とそうでない部分(※3)があるのが解るかと思います。上の図は直線部で信号が増幅された場合が書かれていますが、入力のゲインを上げてみましょう。

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波形がつぶれてしまっているのがわかるでしょうか、これが歪みの正体です。(※4)

では、真空管アンプの歪みは暖かく、トランジスタのそれは冷たいと言われる原因はどこにあるのでしょうか。上の真空管アンプの特性と比較してみて見ましょう。

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真空管アンプの場合、直線領域から比較的あいまいなまま非直線(ノンリニア)領域へと繋がりますが、トランジスタの場合は急激にその特性が変化します。
これにより、波形のエッジは当然鋭くなり、非常に多くの高次倍音を伴い歪んでいきます。この高次倍音により音は硬く冷たく感じられるというわけです。

(※1)
かくいう私もその一人です。(笑)


(※2)
音声信号も交流信号の1種です。


(※3)
ずっと行けば直線的にもなるんですがここでは便宜上ということにしておいてください。


(※4)
波形がつぶれる事で倍音が増え、サスティンが伸びます。






では歪んだ音がなぜ良く伸びるのか?
ギターと言うのは基本的に減衰音といい、時間と共に音は小さくなっていき、最後には消えてしまいます。
音を歪ませると長く伸びるようになるというのは経験的に知っているだろうと思いますが、何故でしょうか?

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上はギターの出力波形を簡単に(※1)書いたものです。時間が経つに従い波は小さくなり、無くなっています。
この信号を歪ませる場合、まず、信号そのものを増幅します。そうすると信号はクリッピングを起こし、歪みます。

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増幅された信号は自ずと小さい音まで大きくし、(※2)さらには歪む事で元の信号がある一定レベルまで小さくなるまで音量変化は一定になります。
これがサスティンが伸びたと感じる錯覚を起こします。
ギターそのものの音が長くなるようになるわけではないので当然といやぁ当然ですが・・・

(※1)
簡単過ぎますかね(笑)


(※2)
ただ、小さい音が大きくなると言うのは、今まで小さくて目立たなかったノイズまで大きくなってしまうってことでもあり、これが歪み系エフェクタの最大の弱点ともいえます。


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