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デジタル録音の注意点
アナログ機器を使う上で一番注意しないといけない事というとやはりノイズの問題でしょう。品質の高いケーブルを使い、さらに長いケーブルを引き回さない様にする、また、電源に常に気を使い、ミキサーやレコーダーもも出来るだけノイズの発生源(※1)から離したりする、という注意が必要でした。
デジタル録音の際もマイクやギターの信号はアナログなので、同じ様にノイズに気を使う必要はあるのですが、一度サンプリングされてしまうと、デジタルで接続された機器同士の間ではノイズが上乗せされる心配はありません。(※2)
ただ、デジタルデータは量子化ビット数やサンプリングレートの異なる機器間ではデジタルコピーできません。(※3)
録音の際にあらかじめ量子化ビット数とサンプリングレートを決めておいて合わせておくという注意が必要です。
あと、ディストーション(※4)と言う物をご存知でしょうか。ギターで使用するアレです。アナログ信号の場合、許容するレベル以上の音が通過しようとするとディストーション(歪み)というものが発生します。また、磁気テープを記録媒体に使用する場合は、許容以上の音に対してテープコンプレッション(※5)といって圧縮が掛かります。このテープコンプレッションは音の迫力を増したり、温かみを加えたりという副作用もあり、わざわざコンプレッションの掛かるくらい音量を上げて録音したりもします。
さて、デジタルに話を戻しましょう。デジタル信号が許容以上の音を受けるとどうなるでしょうか。
例えば以下のような音を受け取ったとします。

これを量子化する際に、デジタルの数値について勉強しましょう。
ここでは話を簡単にするため3ビットの量子化とします。
3ビットで表される数値は0〜7の8段階と言うのはさっきもお話ししました。(→前ページ)
これは
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ビット
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000
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001
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010
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011
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100
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101
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110
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111
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数値
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0
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1
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2
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3
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4
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5
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6
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7
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ということです。
ではこの3ビットで8という数時を表そうとすると
(1)000
1がはみ出した形で、下3ビットは「0」と同じ形になってしまいます。(※6)
つまり3ビットで表す8と0は区別がつきません。
では先ほどの信号をサンプリングしてみましょう。

とこうなります。つまり許容値をオーバーしたところが一気に0になってしまってます。
これを再生すると

こうなってしまい、これでは元の音と違ってしまいます。
これを「デジタル・ディストーション(※7)」といい、デジタルの世界では一番に気をつけなければならないことです。
アナログの場合、多少の歪みは音として聞く事が出来ますし、場合によっては良い効果を生んだりする事もありますが、デジタルの世界では折角の演奏を台無しにしてしまうだけの破壊力を持っているというわけです。
絶対に歪ませない。これがデジタルレコーディングの鉄則です。
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(※1)
テレビや蛍光灯、モーターなどは強力なノイズの発生源です。
また録音にテープを使う際にはヒスノイズというテープ独特のノイズも派生します。
(※2)
ジッターというデジタル特有のノイズが発生する事もありますがアナログのノイズに比べて非常に微弱です。
(※3)
コンバートという形で変換する事は出来ますが、やはり音質面で問題があります。
プロの世界では高いサンプリングレートで録音し、それをわざわざコンバートしてCD化するのが流行りのようです。
ただ、高度なコンバートのアルゴリズムは高価なようです。
(※4)
エフェクタとして販売されているディストーションはダイオードという許容電圧の低い部品を使用し、音を歪ませています。
(※5)
コンプレッサーとはまた異なるコンプレッションで独特のものです。
(※6)
これをオーバーフロー(桁あふれ)といいます。
(※7)
DSP等を使用してデジタルで作られたディストーションエフェクタとは別のものです。
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