サンプリング周波数と音の関係
CubaseVST,CubaseScoreVSTは最大サンプリングレート48KHzで、CubaseVST/24は最大サンプリングレート96KHzです。
CDのサンプリングレートは44.1KHz、DATはその多くが最大48KHzとなっています。(※1)
最近96KHz(24bit)のデジタル入出力をもったA/DコンバーターやD/Aコンバーターも多く発売されています。
96KHz対応のレコーディング機器を買ってきて96KHzでレコーディング/マスタリングを行っても最終的にCDに焼くためには44.1KHzにサンプリングレートを下げるためのコンバートを行う必要があります。
では、結局サンプリングレートを下げてしまうなら、96KHzでレコーディングするという事は意味があるのでしょうか?(※2)
サンプリングレートというのはサンプリングを行う周期だということを以前書きました。実はこれは音質に対して大きな影響を与えます。この音質に大きく影響を与えるサンプリングレートというものはどういうものか考えてみましょう。
簡単な話、サンプリングレートが変わることで録音が可能な上限の周波数が決まります。この録音可能な周波数の上限は以下の式で導かれます。

つまりサンプリングレートの半分にあたる周波数まで録音できるということです。これを「サンプリング定理」といいます。
ではなぜ、このような定理が出来たのでしょうか?解りやすいように多少デフォルメして書きます。
例えば以下のようなサイン波を録音する事にします。

周波数というのは繰り返される同じ波形の1波形分の周期です。そのため上のサイン波の周波数は以下の通りになります。

仮にこの周期が20KHzだったとします。波長で考えると解りやすいです。(※3)
次にこの音をサンプリングレート30KHzでサンプリングしてみましょう。
波長は20KHzの音に比べて2/3倍になります。

このようになってしまいました。なんだか随分と波形が変わってしまったような気がします。
ではこの波形を元のアナログ信号に戻してみましょう。

どうも元の音と周波数が違う気がしませんか?1/3の周波数60KHzになってしまっています。(※4)
では今度は20KHzの2倍の40KHzでサンプリングしてみましょう。(※5)

これを復元すると

こうなります。
ちゃんと20KHzで復元できました。ん?矩形波のようにサイン波以外の波形はどうなる?
残念。矩形波のような波形は更に高い周波数の倍音を持ちます。その為サンプルリング定理に沿いません。倍音を一切持たないサイン波だから復元できるというわけです。
この様にこれ以上高い音を入力すれば元と違う音で再生してしまうので入力しないでくださいという上限値がサンプリング定理で定められた周波数というわけです。
実際にはサンプリング定理で導かれた周波数よりも高い音がA/D変換に混入しない様にA/Dよりも前にローパスフィルターで急激にカットされます。急激にカットするのは可能な限り高域をロスせずにレコーディングしたいためです。(※6)

しかし、ある周波数で急激にカットしたりブーストしたりするとその周辺の周波数帯の位相は乱れてしまい、音質に大きく影響を与えてしまいます。(※7)
人間の耳は20Hz〜20KHzの音を聞き取る事が出来ると言われています。44.1KHzの半分の22.05KHzというと人間の耳で聞こえるか聞こえないかギリギリの所だと思われます。その為この付近の位相の乱れは音に何らかの影響を与えると言われています。(※8)
これらは基本的にアナログ信号にフィルターを掛けてデジタル変換を行うという一連のA/D変換の時に発生する問題です。
その為、A/D変換を96KHzというサンプリングレートで行うことでこの周波数の乱れを48KHz付近という人間の耳では到底識別不能な不可聴領域まで持っていって捨ててしまおうという考えがこの96KHzサンプリングの主な意義というわけです。(※9)
最終的にはCDに焼くために44.1KHzにコンバートされるわけですがこれは位相などのアナログ的な問題はほとんどありません。
こうすることで20KHz周辺の音までほぼ綺麗なまま残る事になります。
駆け足でサンプリング定理について見てきましたが解ってもらえたでしょうか。
ただ、データ量考えるとアマチュアにはなかなか96KHzレコーディングなんて出来ないですけどね・・・
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